採用・受け入れを一体でデザインする 〜リアリティショックを防ごう〜(WEB版2025年を生き残る採用セミナー⑨)

 
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「地域」の担い手を育成する、日本初の本格的な介護経営情報誌「地域介護経営」(発行:株式会社日本医療企画)にて、Join for Kaigo取締役 野沢 悠介が「2025年を生き残る採用セミナー」を連載しておりました。(連載終了。現在は引き続き、「介護経営に生かせる人事の目線」を連載中。)

介護事業所の採用活動において、大切にすべき視点や、実践例を全12回にわたって紹介させて頂いています。
本サイトでも、WEB版として加筆・修正の上、連載内容をご紹介しますので、ぜひご覧ください。

□離職する職員のうちの4割は新入社員

「介護業界は早期離職が多い」という話をよく耳にします。

実際に公益財団法人介護労働安定センターの調査によると、2016年度に離職した職員のうち、約4割は入職1年未満での離職となっているそうです。

せっかく採用に成功しても、すぐに離職となってしまっては、採用活動にかけた時間やコストが無駄になってしまいます。
そして、離職が生じた場合はまた採用活動を行わなければならず、結果としてより重要な人事施策の実施や課題解決には手を付けることが出来ず、それが新たな離職を生み…という負のスパイラルが生まれてしまいます。

新入職員の早期離職を防ぐためには、どのような対策が必要なのでしょうか。採用段階のさまざまな努力も必要となりますが、それと同じくらい大切なことが入職直後のかかわりです。今回は、そこにスポットを当ててみます。


■リアリティショックとは?

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人事用語の一つに、リアリティショックという言葉があります。

これは、入職の前後に抱いていた理想と現実のギャップが生じ、ショックを受け悩んでしまう現象です。

早期離職は、「想像・期待していたことと実態が違った」というリアリティショックが原因で生じることが多くあります。当然ながら、「入職後、すぐに辞めよう」と思って就職をする人はいません。
それでも早期離職となってしまうのは、職員本人に理由がある場合も含め、何らかのギャップが生じているからこそと言えます。

■リアリティショックを解消するために必要なこと

リアリティショックを解消するためには、どうすればよいのでしょうか? 

私は、「採用と受け入れを一体として計画(デザイン)する」ということが重要であると考えています。

入職直後に「聞いていた話と/イメージしていたことと違う」と僅かでも思ってしまうと、それは職場への不信感につながります。雇用者側では「そんな些細なことで」と思うものでも、放っておくと不信感が知らず知らずのうちに高まり、離職につながることもあります。

採用活動で伝えられている内容と、入職後に現場で経験することに差異が生じていないか、一度俯瞰してチェックをしてみると、入職前後でちぐはぐになっている部分に気づくかもしれません。
また、採用担当や施設長が入職前に話す内容と、現場で一緒に働く先輩職員の言動にズレがあることも、リアリティショックを生む要因になります。現場の職員に採用活動での訴求内容を共有し、採用・受け入れの一貫した流れをつくることも重要です。

また、受入側の職員や管理者には、「当たり前」すぎて気が付かないことも多くあります。受入直後に新入職員の話をきちんとヒアリングし、ギャップが生じているのであれば、早いタイミングでその芽を摘むことも重要です。
入職直後に感じた違和感をそのままにしておけば、ギャップは徐々に広がっていき、「離職」という形へとつながってしまいます。

◇リアリティショックを防ぐ第一歩

  1. 採用時の説明と導入後の業務や状況に差がないか?

  2. 受入を行う職員間での認識に差がないか?

  3. 上記ポイントを確認すると共に、新規職員にもヒアリングを行うと課題が見えやすい。

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早期離職が発生した場合、「根性がない」と職員側に原因を求めてしまいたくなることもあると思いますが、しっかりと理由をヒアリングし、一度立ち止まって考えてみることをおすすめします。ギャップが生まれるポイントを把握し、早期にケアすることが、良い人材を採用し、定着する職場づくりにつながると思います。

※本記事は、「地域介護経営 2018年9月号(2018年8月20日発行 No.183)」にて掲載されたものです。(一部加筆をしています。)

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【この記事を書いた人】

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野沢 悠介 株式会社Join for Kaigo取締役

立教大学コミュニティ福祉学部卒業。
大手介護事業会社にて新卒採用担当・産学共同プログラム担当・採用部門責任者等を担当し、年間400~500名規模の介護職新卒採用スキームを構築。
2017年 株式会社Join for Kaigo取締役就任し、介護領域全体の人材確保・定着力の向上を目指す。主な実践領域は、コミュニケーション・キャリアデザイン・リーダーシップ・チームビルディング・目標設定等。