新卒内定者との向き合い方 〜「辞退防止」ではなく「育成」の視点をもとう〜(WEB版2025年を生き残る採用セミナー⑩)

 
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「地域」の担い手を育成する、日本初の本格的な介護経営情報誌「地域介護経営」(発行:株式会社日本医療企画)にて、Join for Kaigo取締役 野沢 悠介が「2025年を生き残る採用セミナー」を連載しておりました。(連載終了。現在は引き続き、「介護経営に生かせる人事の目線」を連載中。)

介護事業所の採用活動において、大切にすべき視点や、実践例を全12回にわたって紹介させて頂いています。
本サイトでも、WEB版として加筆・修正の上、連載内容をご紹介しますので、ぜひご覧ください。

□新卒社員との内定〜入社までのかかわり

現在の新卒採用市場では、6月が本格的な選考開始日となっています。(実態は早期化しており、6月1日時点で既に半数の学生が内定を持っている状況ではありますが…。)

この時期になると、採用選考が終了し、合格した学生に内々定をお伝えする企業も多くあると思います。約1年後の新卒社員の入社を心待ちにする一方で、考えなければいけないのは早期離職を防ぐための丁寧な受け入れです。入社前後にギャップを感じてしまうことが早期離職の要因となり、特に社会人経験のない新卒採用の場合は、かかわりが薄いと、いわゆる「内定ブルー」という形で、内定から入社までの期間で不安になってしまい、入社辞退につながるケースも……。今回は新卒社員との内定時のかかわりについて考えてみたいと思います。

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■ここ数年の就活生の傾向

一括りにはできませんが、多くの学生と話をするなかで、ここ1〜2年の就活生(新入社員)は、「真面目で実直、一方で自信がなく社会に出ることに不安が大きい」という特性があると感じています。

「安定志向」「仕事よりもプライベート重視」という傾向は数年前から続いていますが、各種調査を見ても、以前に比べて研修や面談でのフォローといった「会社からの丁寧なかかわり」を求める声が増えています。実際に学生に話を聞いてみても、「任せられた仕事をきちんとできるか不安」といった声をよく耳にし、「自分が職場に適応し、力を発揮できるか」ということへの不安があるため、仕事理解や成長の機会を欲している学生が多いようです。

これは選考段階でもいえることで、選考時の「かかわりの深さ・手厚さ」が、入社後の職場での先輩・上司とのかかわりのイメージにつながり、しっかりとコミュニケーションをとることで、学生の志望度を高めることにもつながります。

■入社後のギャップを減少させるには

では、具体的に内定者とどのように向き合えばよいのでしょうか。

内定者フォローは「辞退防止」と考えられがちですが、大切なことは、内定から入社までの期間を「職場定着のための育成期間」と捉えることだと、私は考えます。

内定辞退防止のみを目的とした面談などでは、魅力的な情報を伝えてしまうことで、かえって入職後のギャップを大きくし、入社1年後までの離職意思を高めることにつながりかねません。

一方で、集合研修を通して仕事に直結する知識・技能の習得を進めたり、社員や同期とのつながりをつくることは、入職後のギャップを減少させ、離職意思の低減につながるという研究データもあり、「職場のリアル」を伝えていくことの有意性が見られます。

新入社員が仕事を始めた際に感じるギャップを想像し、しっかりとその点をフォローしていくことが、入社後のギャップを減少させることにつながります。

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新卒採用に限らず、人材採用の目的は採用そのものではなく、職場で長く活躍する人材を迎えることのはず。だからこそ、辞退防止ではなく育成の機会として、入社前のかかわりを大切にし、職場定着につなげることが、真の意味での採用成功の秘訣と言えるでしょう。

※本記事は、「地域介護経営 2018年10月号(2018年9月20日発行 No.184)」にて掲載されたものです。(一部加筆をしています。)

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【この記事を書いた人】

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野沢 悠介 株式会社Join for Kaigo取締役

立教大学コミュニティ福祉学部卒業。
大手介護事業会社にて新卒採用担当・産学共同プログラム担当・採用部門責任者等を担当し、年間400~500名規模の介護職新卒採用スキームを構築。
2017年 株式会社Join for Kaigo取締役就任し、介護領域全体の人材確保・定着力の向上を目指す。主な実践領域は、コミュニケーション・キャリアデザイン・リーダーシップ・チームビルディング・目標設定等。